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ブログ引越し

一生懸命

今となっては信じられないかもしれないが、中学校の頃から私はクラブで運動をしていた。入った当時は前日から気合が入りすぎ、実際のクラブ活動がはじまる時間にはすでに疲れていたということもあった。それほどまで熱き思いの人なのに、どうも先輩という種族から受けが悪い。それだけならまだしも怒られるのだ。「もっとはしれ!」「なにやってんだ!」「そんなんじゃない!」なんで??という気持ちと共に涙で目の前が見えなくなった事もあった。これは誰かが俺を落としいれてるんじゃないかと疑ったぐらいだ。そこで、クラブ1お調子者のK君に相談してみることにした。彼はコミカルな会話術でみごとに先輩の心をがっちり掴み離さない。

私  「俺なんで怒られてばっか?意味分からんよ」
K君 「おまえかわいそうやな。前から言おうと思とったんよ。」

この辺からかなり調子がいい事がわかる。

K君 「あのな。この前の掃除の時も起こられてたやろ?」
私  「ああ。掃いてただけで怒られた。」
K君 「みんなと同じ事しててもおまえサボってる様に見えるねん。なんでか分からんけどな。同じ苦労してるのにやってないように見える。じっと見てたらちゃんとやってるって気がつくけど、のんびりマイペースっちゅう雰囲気がただよってるんやろな。楽してるって印象を与えるから怒られるんや。」

私は血がどんどん頭にのぼっている気がしてきた。おそらく耳までまっかっかだっただろう。そんな原因で怒られてたのか!俺の持って生まれたオーラを呪う。

私  「どないしたらええと思う?」
K君 「人の倍動け。それで人並みじゃ」

こいつ、かなり適当だ。
まぁひと事だからだろう。でもなんとなく核心を得ているように思えたので礼を言って自宅へ帰った。私はその夜、反骨精神という物を覚えた。そしてその後、先輩後輩を巻き込んだ大反乱を起こすことになるのだが、それはまた別の機会に話をしよう。

ともかく今もそのことが頭にずっと残っていて
なんだか損をしているような気がしてしょうがない。

中身は「熱血漢」
見た目は「さぼりマン」

これ、どう考えても変だ。書いててそう思う。
しかし、これを読んだ読者の方には信じてもらいたい。

もしも私がサボっているように言っている人がいたなら、それは勘違いだと説明してもらいたい。
本当は熱き思いで行動をしている熱血漢なのだと。

ヘアースタイル

最近はあまり行かなくなったが、美容院に行った時、「髪が全部前に生えてますね」と言われたことがある。その時今まで不可解に思えていた事が全部理解できた。

いろいろ髪型を試してみたが、パーマをかけると結果は「ボンバーもしくは爆発」になるのだ。想像ではニヒルに決めたジャニーズばりのウェーブ。しかし、「はい。できましたよ」と言われて鏡を見てみると、どうみても以前の倍くらいにふくれあがった自分の頭に卒倒しそうになった。見る角度が悪いのかと思い斜め45度くらいから見てみる。どうみても塩沢ときばりの大きさだ。遠目でみると コケシのようなバランスの髪型に耐えられず、結局家に帰ってから、髪をもう一度洗っていわゆる「洗いざらし」状態にしていたものだ。

ダンディーな高校生にあこがれた私はオールバックに挑戦したことがあった。当時、髪を固める方法といえば、グリース系の油。ジェルやムース、クリームなど存在しなかったのだ。そして、近所の化粧品屋さんで比較的使いやすい初心者用アイテム「チック」なるものを購入した。これはリップのようにそこをくるくる回すと固められた油が出てくるようになっている。それを髪にぬり、くしでビシッと決めるのだ。

朝、釣りバカ日誌のハマちゃん(演:西田敏行)よろしく、完全に爆発の髪にチックをべたべたと塗る。結構固いので力強く押さないといけないようだ。全部の髪を塗り終わる頃にはチックは半分になっていた。「塗りすぎか?」と思ったが強靭な腰をもつ私の髪の毛はそれくらいでも丁度なのかもしれないと思い、気にせずにクシで髪をうしろになでた。

鏡の前に現れたのは、おっさんくさい自分だったがそれなりにダンディだったので意気揚々と学校へ向かう。なんとなく登校時にみんなが私を羨望の眼差しで見ているようなそんな気がした。

「渋い!」と言われるだろうか。それともアダルトな雰囲気が「かっこいい」と言われるだろうか。どちらにしても今までとは違う私がそこにいるはず。そして私は教室のドアをあけた。全員が私を見た瞬間、一瞬の沈黙の後、どよめいた。
友人が近寄ってきた。

「どうしたの?」
「ん?ちょっとイメチェン」
「そっか~」

あれ?「かっこいいぞ」とか言われない。
少しがっかりだな。あまりの格好よさに友人も嫉妬したか。
次に、クラス1のタテノリパンク小僧のS君が近寄ってきた。
「うわ~すげ~。しっぶい髪型になったな~、どうやってやった?」
うひひ。きたきた。とりあえず「チックで」とはにかみながら返事しておいた。

後ほど、私はトイレで失神しそうになる。

理由は、髪の毛がすべて垂直に立っていたからだ。それはもう突き刺さるぞって感じで。チック半分の凝固力と私の髪の腰がちょうどバランスが取れてしまいかなり過激な髪型になっていた。

その日からS君と仲良しになった。そもそもパンク系ではない私は、会話が噛み合うはずもなく苦労したのを覚えている。

捜索

かつて私を強烈なキャラクターで虜にした人物がいた。
小学生時代の親友、渡辺君だ。
音信不通になりどこにいるのかもわからない。
会いたい。もう一度。そして私を爆笑の渦に巻き込んでほしい。

-わたなべくんの思い出-

-前歯が一本 銀歯のわたなべ君
今も銀色にキラリンと光る前歯が健在であってほしい

-黒ぶちメガネのわたなべ君
分厚いレンズの奥からのぞく目は動物の子供のように清らかだった。
メガネを丹念に拭く仕草がおじいちゃんのようで大人びていました。

-手にイボが出来るわたなべ君
とにかくイボがいっぱいできて私を驚かせたものである。
イボコロリはまだ愛用していますか?

-ブルース・リーの好きなわたなべ君
お願いだからイボの手で私をぶつのをやめてというと
もっとたたかれた。

-短気なわたなべ君
少しでも自尊心を傷つけることをいうと
「チェ~~~イ」といいながら後頭部に
チョップが入る。これは結構痛かった。

-悪人にあこがれていたわたなべ君
「一日一悪」がモットーだったね。
今は悪魔のような影の支配者になっているのでしょうか。

-思慮深いわたなべ君
校門の左かどをまがったところにいる
怪しい物売りのおじさんのことを「子供の敵だ」と私に警告してくれた。
今だから言うけど、ぜんぜん言う事を聞かず、奇妙なものを買いに行ってました。
残念!

-ちゃんとしていたわたなべ君
はちゃめちゃな私と対照的にきっちりしてたのは
育ちでしょうか。午後3時に約束すると時報と共に現れる。
その正確さは恐るべし。

わたなべくん。連絡ください。
私が悪かったからっ!

悪夢

私はあまり夢をみない方なのだが、子供の時に決まって見ていた悪夢があった。しかもかなりブランクがあるにもかかわらず、まるでレンタルビデオの続き物をみるように「前回のあらすじ」から必ず始まる。それが美女のキスシーンで終わっていたなら最高だが、殺されるとか、捕まるとか、高いところから突き落とされるとか、そういう所で終わっていたので苦しみを2回味わっていた。

純粋無垢な少年であった私はその苦しみに耐えられず、夢から緊急脱出できる方法を一生懸命考えた結果、自分自身だけに有効な呪文を考案し、夢からの脱出を願い続けながら毎日唱える。するとその体に染込んだ呪文は夢でも有効なのではないかと。それを唱えればすぐさま目が覚め現実に戻れるのではないかと。

とりあえず呪文は「さぁて今から現実に戻るぞ。もどれ!」みたいなすごくゴロの悪い目的を達成するだけのセンスの悪い呪文にしたと思う。そしてそういう自分自身の要求を満たす魔術は全般的に黒魔術であり、その魔術に絶対に必要な物「いけにえ」をどうするか?

すぐに思い浮かんだのはなぜかお婆ちゃんだったが、いかんせん年が行き過ぎてる。おじいちゃんもしかりだ。では母親をと考えたが食事とかどうするか考えるとこれはまずい。大体母親をいけにえにするって言えば父にぶち殺されるに違いないと思った。

適当なのは妹だったが、公園で地面に魔方陣を書き、ロウソクを立て、黒い変なフード付きのマントをかぶり、そこに妹を供えるなんて出来ない。だいたい魔法陣ってどう書いたらいいのかもわからなかった。しょうがないので「いけにえ」は自分ということにし、(大体自分をいけにえに出して死んだら、元も子もないのだがそこは子供だったのだ)お決まりである素っ裸で布団に入り寝ることにした。(通常いけにえといえば裸のセクシーな女性というイメージがあった)息も白くなる冬。狂気の沙汰だ。しかし勝ち誇った私は内心思った。「悪夢め。来るならこい。俺はいままでの俺ではない。どういうものか今は言えないけど、最後の手段があるんだ!」勇ましいものである。

もちろんそんなに都合よく悪夢が来るわけなく、裸も寒いのでやめてしまった。夢の中では呪文なんて思いつきもしないで今までどおり2回殺された。

後日、寝言を言っている私を母親が布団をかけ直そうとめくったら裸だったので卒倒したらしい。

満員電車


私は女性が近くにいるとすごく気を使うのでいつも男性が並んでいる所から電車に乗る。一度テレビで痴漢をしていないのに痴漢容疑をかけられて何年も裁判している人の番組を見てから両手が肩より上に手が来るように努力してたりする。アメリカ映画で警官にピストルを向けられ、「お願いだから撃たないでくれ」と懇願しながら、情けない顔で後ろ向きになる運転手のようなイメージだ。

その日、運が悪く女性二人組みが私の後ろに回りこむ形になった。前ならかなり嫌だったが後ろに立ったのでそんなに気を使わないでいたが、なんと二人とも親のかたきといわんばかりに私のおしりをハンドバックかなにか平らなもので右のおしりと左のおしりを別々に押してくる。

まったく均等の力で押されるのならまだしも、微妙に右と左の力加減がちがうのでお尻の穴がひっぱられ気持ち悪いのだ。しかしごそごそ動くと「痴漢!」とか言われると怖いのでじっと我慢してた。

そうこうしているうちに後ろで二人が話し始めた。
どうやら知り合いだったようだ。

「大丈夫?」
「うん、平気」
「この時間は混んでるのよね」
「なにげに触ってくる人もいるし」
「私昔、痴漢つかまえたことあるよ」
「え?ほんと?」
「ほんとほんと。大きい声だして手つかまえてやった」
「すごいね」
「大丈夫?」
「うん」
・・・・・

会話で周りを「痴漢するなよ」と威嚇しているのだ。そこまで意識するのはたいそう美人なのだろうかとチラリと見てみたら、都はるみ松金よね子だった。そんな話を前でずっと聞かされるのもたまらないのでちょっと離れようと動こうと思ったが混みすぎて無理だった。少し動いたのが悪かったのかハンドバックでの押しが強烈になり、そして微妙に押す方向が斜め方向にずれたので、もう私の肛門は横一文字になったのではないかと思うくらい横に広がっていたのではないかとおもう。

2駅ほど通過し、その都はるみコンビは下りた。ほっとした。
ジーンズの後ろポケットがすっきりしていた。いつも小銭入れと定期入れを突っ込んでるポケットがすっきりしている。「あれ?」「ないぞ?」「あれ!後ろポケットに入れていた小銭入れと定期入れがない!」

私は愕然とした。均等にお尻を押してくれと悠長に考えている場合ではなかったのだ。ぎゅーぎゅー押していたのはきっとポケットに入っている財布をハンドバックで押し上げて抜き取ったのだ。なんということを。私はこみあげる怒りを抑え冷静に考えた。「いや、取られたのは小銭。たいしたことない。定期入れにはパスネット3000分くらい残ってたかな?これはいたいな」しかし、なんという巧みな技だろう。都はるみ恐るべし。後ろを振り向いてどなるか、もしくは「なにしてるんですか?」と嫌味ったらしくいうかしてやればよかったと後悔した。

家の近くのJRの駅に着いた。
この時私は切符を買っていたのでパスネットがなくても困らない。心の中で「みやこ、残念だったな。俺は困ってないぞ」と言った後、悠々と改札を出た。

その後、私のカバンから小銭入れと定期が出てきて、ズボンが窮屈なのでなにげなくカバンに入れたのを思い出したのであった。